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ロレンツォのオイル (110回医師国家試験まであと19日)

みなさんは「ロレンツォのオイル」という言葉を知っているでしょうか?

あまり聞きなれない言葉、かもしれませんね。

 

「ロレンツォのオイル」はある実話をもとに、1992年にアメリカで作成された映画です。

 

 

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この映画は副腎白質ジストロフィという病気を題材にしていて、難病と闘う家族がありありと描かれています。

医学生なら知っておいて損はないと思います。

(あらすじ)

 物語の焦点はロレンツォという幼き男の子とその両親。5歳まで健やかに育ったロレンツォであったが,学校で問題行動を起こしたり転んだりするようになった。異常に思った両親がロレンツォを病院に連れていった。そしてそこでロレンツォが副腎白質ジストロフィーという難病にかかっていることを知る。この難病に対する有効な治療法がないと知った両親は落胆するも、なんとかして自分たちで息子を救おうとする、心にしみるお話です。

 

詳しくはこちら。

医学書院/週刊医学界新聞(第2795号 2008年09月01日)

 

 

副腎白質ジストロフィは脳の白質と副腎に極長鎖脂肪酸が蓄積することにより以下の症状が生じる進行性の病気です。

 

【小児(主に小学生)】
学校の成績が下がってきた(学習障害と言われた) / 行動や性格が変わってきた(心身症と言われた)
視力が低下してきた / 歩き方がおかしい / 副腎の働きが悪いと言われた

【成人(主に20~30歳代)】
歩き方がおかしい / まだ若いのに痴呆と呼ばれた / 最近性格が変わった / 精神異常と言われた /副腎の働きが悪いと言われた

 

 

遺伝形式はXRで好発年齢は5歳から15歳。

原因遺伝子はX染色体上にあるALD遺伝子の異常。

副腎不全に陥るためにACTHが上昇し皮膚色素沈着もきたします。

MRIのT2WIで脱髄部位が高信号を示します。

国試では少し古いですが、96D44で臨床問題が出ています。

110回で出る可能性は低いですが雑学がてら知っておくと良いと思います。

 

まとまりのない記事になってしまいましたが以上です。

参考:

ald-family.com