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アセタゾラミドというおくすり(110回医師国家試験まであと18日)

こんにちは。

何を書こうかなと思いつつも勉強で頭が疲弊してしまっているので、今日はいつもと違った切り口で書いてみます。

 

今日のテーマはずばり、「アセタゾラミド」(商品名:ダイアモックス)です。

医療関係者以外にはなじみがないかもしれないですね。

 

あした、このお薬を病院にもらいにいってきます。

とはいっても、別に何か私が特別な病気にかかっているわけではありません。

110回医師国家試験が終わって一息ついた後、私は友人たちとマチュピチュウユニ塩湖、ラパスなど南米へ卒業旅行に行こうと企てています。

何か所かの観光地は高度が高いので高山病になるおそれがあるのです。

その予防のため、明日「アセタゾラミド」を処方してもらいに行ってきます。

 

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このアセタゾラミド、実に珍しいおくすり

・てんかん

・睡眠時無呼吸症候群

・緑内障

・メニエール病

・肝性浮腫

・心性浮腫

・肺気腫による呼吸性アシドーシスの改善

 

等々様々な臓器の病気に対して効くことが分かっています。

1つのくすりで緑内障にきいたり、めまいに効いたり、はたまた高山病に効いたりと凄いお薬なんです。

 

もともとは利尿薬といって、体がむくんでいる人に対しておしっこをだす目的のお薬だったのですが、いまは利尿薬としてよりも他の疾患に対してよく使われています。

専門的な話になりますが、国試を意識して書きます。

アセタゾラミドの機序は近位尿細管に作用し、炭酸脱水素酵素を阻害してNa,HCO3-の再吸収を抑制することによって利尿しています。

詳しくは

http://www.igaku.co.jp/pdf/1209_circulation-02.pdf

を参照してください。

HCO3-の吸収が抑制されるという事は代謝性アシドーシスになりますので体は呼吸で代償(酸性状態にかたむいた体を元に戻すこと)しようとします。よって過呼吸(呼吸回数が多くなる事)になってアシドーシスは改善されるのです。つまり呼吸性アルカローシスになっているという事ですね。

 

これを応用したのが高山病の治療法です。

高度が高いところに行くと、脳が酸素濃度が低いことに気付かずいつも通りの呼吸を行ってしまいます。すると体の酸素量が減り、頭痛、吐き気、めまいなど様々な症状をきたします。重症の場合は肺浮腫や脳浮腫をきたし死に至る場合もあります。

事前にアセタゾラミドを服用しておくと、前述した機序で過呼吸となり体がたくさんの酸素を取り入れようとするので頭痛などの症状が出現するのを防ぐことができるのです。

考えた人すごいですね!!

とりあえず明日はこの薬をもらいに行ってきます。

保険がきかないので少し高いのが痛いところです。

今日はあと少し勉強して寝ます。

おやすみなさい。

(おまけ)コメントしてくださると私、とても喜びます。