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肝硬変で低ナトリウム血症になる理由

こちらにサイトを移行しました。

https://molissa.jp

よろしくお願いします。

 

医師国家試験の問題を解いていると、解説を読んで頭の中が??で埋め尽くされることがよくあります。

その一つが、「肝硬変で、なぜ低ナトリウム血症になるか問題」です(笑)

私自身ハリソンを読んだり、STEP内科学を読んだりして調べましたが、いまいちぴんとくる病態が記載されておらずもやもやとしていました。

しかし、ようやく筋の通った理論を見つけましたので説明いたします。

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まず

①肝硬変によって肝臓でアルブミンが産生されにくくなり血漿アルブミン濃度が下がる。(血漿膠質浸透圧の低下)

②すると、浸透圧物質であるアルブミンの低下により、間質に水が漏れ出し血管内の血液量が低下する。

(なお、ナトリウムもドナン効果によりアルブミンと同じく間質に漏れだす。そのため、②の段階で血清ナトリウム濃度は正常値をとる。)

③血管内の血液量(循環血液量)の低下がおこり、その結果、腎臓の輸入細動脈の血流量低下をきたす。(→RAS系の活性化)

それと同時に大動脈弓や頸動脈洞の圧受容器が循環血液量減少の刺激を感知する。(→ADH分泌の亢進)

④RAS系は等張性にNaと水を腎臓で再吸収し、ADHは水のみを腎臓で再吸収する。この2つの作用により、ナトリウムと比較して水のほうが再吸収量が多くなるため低ナトリウム血症をきたす。

 

以上が肝硬変で低ナトリウム血症をきたす理由でした。ドナン効果が難しいと思うので、次の記事で書きます。

molissa.hatenablog.com