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原発性免疫不全症のまとめ(110回医師国家試験まであと22日)

https://molissa.jp

にサイトを移転しました。

今後ともよろしくお願いいたします。

 

110回医師国家試験まであと22日ですね。

直前期にもかかわらずあまり緊張感がありません。

なんだかよくない傾向ですねー

 

 

さて、今日は暗記ばかりになりがちな原発性免疫不全症をまとめていきたいと思います。

潔く暗記するところは暗記して、病態やストーリーで覚えられそうなところは理解する。

そんな感じでいきたいと思います。

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まずは

潔く暗記した方が良いもの

 ①遺伝形式

〈XR〉

重症複合型免疫不全症(ARも少しある)、慢性肉芽腫症(ARも少しある)、Wiskott-Aldrich 症候群、X連鎖(Bruton型)無γ-グロブリン血症

 

遺伝形式に理由なんてないですから覚えるしかないところです。

X連鎖性無γ-グロブリン血症は名前にX連鎖とあるくらいですから簡単に覚えられるとして、他の疾患はどうやって覚えましょうか。

やはり古典的なゴロ、BMWで覚えるのがベストだと私は思います。

そして重症複合型免疫不全症(SCID)もXRですからBMWに付け加えて

反省したBMW

伴性劣性、SCID、ブルトン~、慢性~、wiskott~

で覚えましょう!!

 

〈AR〉

毛細血管拡張性失調症(ataxia telangiectasia)とChediak-Higashi症候群

この2つですね。

ataxia telangiectasiaは最初がaから始まるのでAR、Chediak-Higashi症候群はチェディックなのでARで覚えています。

少し強引ですね。こんなに重症感のある免疫不全症がADだとやばいのでAがあればARだと認識して覚えています。

 

〈AD〉

DiGeorge症候群のみですね。

原発性免疫不全症にもかかわらずADというなかなかすごい疾患です。

DiGeorgeのDで覚えましょう。

 

②造血幹細胞移植が有効なもの

重症複合型免疫不全症(SCID)、慢性肉芽腫症、Wiskott-Ardrich症候群、(Chediak-Higashi症候群)

 

この4つですね。Chediak-Higashi症候群は造血幹移植しても神経症状の進行を止めることができないとyear noteに記載がありましたので括弧をつけました。

頑張って覚えましょうね。

個人的には他に有効な治療法がないときに行う治療法かなーと漠然と認識しています。

例えばDiGeorge症候群は胸腺移植が有効ですし、Bruton型無γグロブリン血症は免疫グロブリン置換療法が有効ですしね。

ただし毛細血管拡張性失調症は病因がDNA損傷修復反応などにかかわるATM遺伝子の異常なので造血幹細胞移植は無効のようです。

 

 

病態やストーリーで理解するもの

 ①Wiskott-Aldrich症候群

この疾患はWASP遺伝子の異常により好中球、リンパ球、血小板の細胞骨格に異常をきたす疾患です。

血小板が異常をきたすため出血傾向をきたしますし、

好中球、リンパ球に異常をきたすため易感染性となります。

湿疹(難治性アトピー様)の原因はまだ判明してはいませんが、皮膚の常在菌に反応するT細胞からのサイトカインの分泌異常が原因の一つとして挙げられているようです。

 

検査値の特徴としてはT細胞数の低下、IgMの低下(IgA↑、IgE↑)、血小板数の低下があります。

IgE↑が原因でアトピー様の湿疹が生じていると考えるのもストーリーがあって覚えやすいと思います。

このように考えると

易感染性、出血傾向、湿疹の3徴が理解しやすくなります。

 

②DiGeorge症候群 

この疾患は第3、第4鰓弓の発生異常が病因となっています。

そのため胸腺や副甲状腺の低形成が起こり、細胞性免疫の低下、低カルシウム血症をきたします。

また、第3,4鰓弓異常により大血管を中心とする心奇形も合併しやすいです。

小顎症や耳介低位など顔面の形態異常も合併しやすいとされています。

この一連のストーリーを思い浮かべることができると、治療法も想起できると思います。

まずは低カルシウム血症に対して、カルシウム、ビタミンDの投与が行われます。

重症例に対しては胸腺の移植も有効とされています。

 

以上になります。

覚えにくい範囲を覚える助けになれば幸いです。